北海道の工務店が、公開してきたモデルハウスを解体・移築する前提で、建物価格999万円(税抜)で1棟限定販売します。モデルハウスは、公開を終えた後も売り物になります。
何が発表されたか
- 近藤工務店(北海道中標津町)が、道東での累計建築棟数1,600棟突破を記念し、中標津町のモデルハウスを建物価格999万円(税抜。税込1,098万9,000円)で1棟限定販売します(2026年9月29日発表)
- 性能はUA値0.24W/㎡K(断熱等性能等級6水準)。同社の参考平均C値は0.36㎠/㎡(中標津・釧路、気密測定65棟、2025〜2026年度実測)です
- 応募は2026年9月14日〜10月25日、中標津店・釧路店・北見店のいずれかへの来場が条件。当選者は抽選で、10月31日に同社のInstagramライブで発表します
原文から読み取れること
販売するのは、実際にモデルハウスとして公開してきた住宅です。購入者が決まった後に建物を解体し、希望の土地へ移築・再建します。応募前にモデルハウスを見学し、間取りや広さ、室内の雰囲気、性能を確かめてから検討できる仕組みです。
企画の理由として、原文は「住宅価格の上昇が続く中、少しでも家づくりを身近に感じていただきたい」と書いています。性能の書き方にも特徴があります。断熱の数字には、中標津町が省エネ地域区分で「1地域」に指定されていることを並べています。C値は「65棟の実測に基づく参考値」と、測った棟数と年度まで添えています。
移築・再建にかかる費用や土地の条件は原文に書かれておらず、キャンペーンページか来場時に確認する形です。
当社はこう見る
この企画は、販売そのものが集客になっています。 応募の条件が「来場」なので、999万円の1棟を目当てに来た人が、店舗やモデルハウスで同社の家に触れます。当選するのは1人でも、来場するのは応募した全員です。性能の数字に実測の根拠を添えているのも、来場した人が他社と比べるときの材料になります。
そのうえで、当社が気になるのは「モデルハウスが無くなった後」です。解体・移築されれば、そのモデルハウスは中標津町から消えます。15.3帖のリビング・ダイニングも、間接照明と下がり天井の空間も、次に家を検討する人はもう見に行けません。
建物は1棟しか売れませんが、空間の記録は残せます。 解体の前に3Dで撮っておけば、公開を終えたモデルハウスをWebで見せ続けられます。「このモデルハウスは999万円で売れました」という実績と一緒に、遠方の検討者が中を歩けるページになります。
工務店が自社のモデルハウスで考えるなら、確かめたいことは3つです。
- モデルハウスの公開を終える時の「出口」を決めているか(売る、住む、解体する)
- 出口の前に、空間を記録に残す段取りがあるか
- 記録した空間を、次の集客にどう使うか(Webサイト、SNS、商談)
モデルハウスは、建てた時から「いつ、どう終えるか」まで含めて計画する資産です。
出典
- 株式会社近藤工務店「【北海道・中標津】モデルハウスを999万円で販売! 建築棟数1,600棟突破を記念し、1棟限定|10月25日まで応募受付中」PR TIMES、2026年9月29日 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000191567.html